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桃の花

昨日は、なんかいろいろありましたね。

午後から、88歳の父にMacの操作を教えてました。
僕もアナログで育ちましたので、父の戸惑いがわかるのです。

「こうすればこうなる」

ここまでは、アナログもデジタルも同じです。
そうなった後に「決定」をしなくてはならない。
「enter キー」を押さなくてはならない。

この操作に戸惑っています。

Mac Bookは、「マウス」が要りません。
「トラックパッド」というものがありまして、その領域を1本指で、
軽く滑らせると、画面内をカーソル(矢印のようなもの)が、移動します。

そして、トラックパッドを2本指で滑らせると、画面がスクロール(ページが上下に動く)します。

父は、元々「Windows」を使っていましたので、操作方法の違いから、覚えるのが面倒というか、
苦手意識が先行してしまい、去年の夏にMacがお目見えしてから、あまり使ってなかったんですね。

今年に入ってから、電源が入らなくなってしまいました。
apple storeに連絡しますと、翌日に宅配業者を寄越してくれました。

検証の上「起動障害」を認めてくれました。
すぐに新品と交換をしてくれましたので、今、父は88歳の手習いをやっています。

僕はMacを30年以上使用していますが、そのようなトラブルは初めてでした。

90歳でMac使いの、今や「日本の宝」、グラフィックをやってのける、
西本喜美子さん、通称キミちゃんに、追いつけ、追い越せです。

今日も、これから講義です。
パソコンは、機能など知らなくていい。
やりたいことをやるために「こうすれば、こうなる」だけを、覚えればいいんです。

夜からは、剣道の練習に行っていました。
僕は、これまで勝つ剣道しかしてきませんでしたので、
今年8月に迎える四段の昇段審査に向けて、風格のある剣道にスタイルを変えなくてはなりません。

相手の攻撃に動じない動きを覚えなくてななりません。
長年染み付いた自分の剣道です。1本たりとも、相手に与えたくない意識が先行してしまい、
スポーツ剣道となっていますので、風格を感じさせる武道となる剣道をしなくてはならないのです。

10年以上ぶりでしょうか、父とも剣を交えました。

父は、年齢別で70代の時に全国チャンピオンになり、去年7度目の優勝を果たしましておりまして、
目下、記録を更新中です。

今年、6月に、また武道館へ行くと公言しておりますので、8度目の優勝に向かっています。
もう、日本の剣道界に、父の記録を抜く剣士は現れないでしょう。

練習を終え、帰ってまいりましたら、22時ごろに友人から、

「オマエ、何しようとや?」

と連絡があり、1駅となりで同級生がやっている店に集合。
去年まで、マネージャーをやってくれていた祥太も駆けつけ、2時までワイワイと。

みなさんには、お伝えしていましたが、ボクシング元チャンピオン「亀田興毅」が、
引退をしてから2年半、リングに戻る、その復帰戦の相手の発表をしたのです。

「AbemaTV」において、その模様が生放送で行われました。

5人の友人、そして、その場に居合わせたお客さん全員で、その光景を観ました。

「おー!!亀田興毅に戻っとる!!よかねぇ!!また、狂犬になっとるばい!!!」

こちらのお店の盛り上がりの方を、生放送してもらいたかったくらいです。

相手は、元WBC世界フライ級王者「ポンサクレック・ウォンジョンカム」。
タイの日本人ボクサーキラーです。

興毅が、負けた相手です。

亀田家が、日本ボクシング界から追放されたのは「ポンサクレック」に負け、
それにより引き起こしたことが原因でした。

以前、興毅と対談したときに、

「もう、やりきりました」

と、言ってはいましたが、その後プライベートで会うようになり、
興毅の中に重く真っ黒な塊となったものがあることに気がつきました。

興毅が、それを僕に語り出した時、興毅が自ら閉じ込めていた気持ちの蓋が開きかかったんです。

僕にも、同じようなものがあります。
高校生の時の、北海道代表になったインターハイ選手止まりなんですよね。

あのまま、続けていたら、今、七段にはなっていたでしょう。
日本一を目指してやっていましたからね。

音楽をやり始めて、いつしか剣道から離れてしまいました。
その間、いつも勝ったり負けたりしていたライバルたちは、七段、八段となり、
何らかの大会で、皆、一度は日本一を取ってるのです。

興毅と話をしながら、自分の中にも「黒い塊」があることに気がつきました。

マスターズで、父と同じように、一度は日本一になっておかなくては・・・。

その胸の中の「黒い塊」を、告白したのは、僕が先でした。

「ASKAさん、僕も、どついておかなくてはならない奴がおるんです」
「誰だよ?」
「ポンサクレックです」

まぁ、驚きましたね。

タイの英雄、元チャンピオン。
97戦90勝(47KO)5敗2分

2014 年に引退をしたのですが、引退の理由は年齢ではなく、家族の理由だと。
理由は語られておりません。

引退後も、練習は続けていますので、ポンサレックは試合をやらない現役選手です。

「興毅、やるか?」
「やります。その代わり、ASKA さんも四段、日本一を取ってください」

僕が、興毅を復帰させたのではありません。
話をしているうちうに、興毅に火がついたのです。

その日を境に、興毅は、好きなお酒を一滴も飲んでいません。
これまで経験したことのなかったスポーツ科学を取り入れたトレーニングを始めました。
先日、見学した時に、驚いたのです。

現役の時より、数段パンチ力が増していました。
破壊力が備わっていました。

だからと言って、勝てるわけではない。

もちろんリングに上がるわけですから、勝ちに行くでしょう。
しかし、興毅には、もっと大きな理由があります。

自分の人生に、そして胸の中に居座り続けてる「黒い塊」を取り払うためにリングに上がるのです。

記者会見の後、すぐにメールがきました。

「必ず、最高のコンディションに仕上げます。当日は、カッコいい亀田興毅を見せます!」

興毅、カッコいいのは勝つだけじゃないんだ。
「黒い塊」を認め、それを取り払う人生に向かったことがカッコいいんだよ。

オレが武道館に立てるのは2年後。
その時には、オレがカッコいいところを見せるよ。

今日、実家の庭に出ましたら、桃の花が咲いていました。

いつかここで、お話しした桃の木です。

僕が、食べ終わった桃の種を、縁側の庭に放り投げたやつです。

誰も気づかぬ間に、雨に打たれ風に吹かれ冬をしのぎ、その生命力で地中に根を伸ばし、
今では、実家の庭の象徴となっている桃の木です。

雨の降らない夏もありました。

「もうダメだ」

と、諦めそうになった時もあったでしょう。

生き抜く力。

こんなに綺麗な花を咲かせています。

今日の僕には世界一綺麗な花です。




ASKA(2018/4/01 13:21)

COMMENT

桃の花のコメント

  • ニックネーム:かるふら
    見事な桃の花ですね。
    宮﨑少年が飛ばした桃の種も、「芽吹きたい!!!」という魂を持ち合わせていたのかもしれませんね。
    良いもの見たなぁー。
    僕も、魂を磨こうかな!
  • ニックネーム:うさきりん
    ASKAさんの剣道姿を生で見たいな。

    やってくれるでしょう。ASKAさんなら。
    有言実行!

    応援していますよ。頑張れ~。
  • ニックネーム:naska82
    ASKAさん、お疲れ様です。

    四段、同じ様に取り逃した一人です。
    選手として打ち込んでいた頃は、記録は
    大したことありませんでしたが、少しでも
    上に行ってやろうという気持ちでやってました。
    黒い塊。あるのかも知れません。
    いい機会なのかなぁ。
  • ニックネーム:Yorunouchini
    桃の花とASKAさんの話を見て、涙が出てました。大切な何かを思い出した気持ちです。向き合わなくては。
  • ニックネーム:福岡のしずく💧✨
    一本の木に複数の花色、珍しいですよね。
    実は大学生の頃、その可愛らしさに一目惚れし、
    調べて行き着いたのが、この桃の木でした🌸
    大好きなピンクの濃淡で、誕生日の頃めいっぱい咲いてくれて😊
    そんな大好きな木が、まさかASKAさんのご実家に!!
    しかも、子供の頃食べ終わって放り投げた種から、
    こんなに立派に成長し、笑顔で咲き誇っていて✨
    力強く逞しい生命力! 大事に守り育てられたご両親の深い愛を感じずにはいられません☺️