第235回「ASKA Terminal Melody」〜リクエスト特集

2025.08.03

共有

今週のリクエストは

◾️虹の花
◾️あの娘にハレルヤ
◾️大人じゃなくていい
◾️Girl

の4曲でした。

「虹の花」ねぇ。
あの曲、「YouTube」で1番だけ紹介した時、
「まだ、こんな曲書けるんだ?」
なんてコメントがあった。

いやいや、抑えてるんです。
この手の曲は書きやすい。
ただ、間違うと可愛い曲になりかねない。
なのでリリースにおいてバリエーションとしての「塩梅(あんばい)」だよね。
時々ならいいかな?

ー老人がこの地上で語る若い頃の日々に頷こうー

この一節は以前紹介した。
ある映画でのセリフ。
老人が若者の質問に答えるんだよね。

「良い人生だった」と。

そして、

「ただ、若い頃のことを覚えているのが哀しい」と。

何とも切ないフレーズです。


「あの娘にハレルヤ」は、JALのCMソング用に書いた曲だった。
あの時は「CHAGE」と「石川優子」の「ふたりの愛ランド」が採用。

ー夏には甘い予感があり 女にはセクシーなアドリブがある
誰に許すかは夏が決めるものー

いかにもCMを意識して連ねたフレーズでしょう?


続いて「大人じゃなくていい」・・・。
え?
これ「MY Mr.LONELY HEART」のカップリングだっけ?
今、検索したらそうなってた。
カップリングは「夢はるか」だったと記憶してしまってたよ。
ああ、「MIDNIGHT 2CALL」のカップリングだったか。
記憶修正完了。

「Girl」
これがシングルになる前、当時「東芝EMI」のスタッフに、

「このシングルを機会に、今後、テレビには出ません」

と、言い切った。
でも、その後、撤回。
EMIのスタッフは、

「なんだ?あれほど強い意志を表明しながら簡単に覆すのか?」

と、思っただろうね。
実は、この「Girl」、僕にはかなりの手応えがあり、
「『はじまりはいつも雨』を超えるヒット曲になるかもしれない」と、思った。
かなりしっかりしたリリースプランが敷かれていたので、

「これならテレビ出演は必要ない。自分が露出しない中でのヒットとなれば『ASKAソロを確立できる』」

との、思いからの発言。

EMIから、MVの監督を大推薦された。
そんなに大推薦するのには、相当のやり手だろう。
しかし、撮影が進むうちに、カットカットにおいて疑問が出始めた。

「本当にこれでMVが成立するのだろうか?」
「どこを、どう繋げるのだろう?」

その不安が的中してしまった。
完成作品を観て、

「これじゃダメですね」

なんて、気遣いのない発言をしてしまった。

聞けば、監督は「MV作品は初めて」だと言う。
推薦したレコード会社スタッフも、びっくり・・・。
どこをどう回って、僕に監督を推薦したのか、誰も答えられない。
きっと他の仕事で高い評価を受けた方だったのでしょう。
それが、伝言ゲームのどこかで「この人のMVは素晴らしい」になったのだと思います。

さて、困った。
僕は、テレビ出演はしないと決め、このMVに賭けたからね。
そして、僕が出した答え。

「監督を変えて、一から編集をし直します」

ただ編集をし直すにも、素材がないわけです。
撮影時に撮ったシーンしかないわけだから。
撮影現場で感じていた疑念、不安が当たってしまった。

「テレビ出演はしません」

は、リリースプランを見ての発言。
十分なプランが敷かれていた。
でも、もうリリース日を前に、パワープレーとなる「MV」の予定が狂ってしまった。

レコード会社スタッフたちも、なぜ、こうなったのかを答えられない状況。
監督も、自分が抜擢されたことに喜びを感じてくれていた。
ただ、初めての仕事。
僕としては、「Girl」をケーススタディにしてもらっては困る。
僕は、賭けていたわけだから。
でも、これを問題化させると、責任を取らされるスタッフが出てくるでしょう。

「アーティストのワガママ」で済ませるのがいい。

どこにも角が立たない。
急遽、以前仕事したことのあった監督に編集を依頼。
やはり「素材が足りない」と言う。
そんな中で、「作品となった」ではなく「無理やり完成させた」MVでした。


こんな現場のすったもんだは、当時、上は知らなかったと思うな。

「テレビ出演しません」

を、撤回。
それでも、もうリリース直前だったから、無理やりねじ込んだのが「ミュージックステーション」だったんじゃないかな。
確か、そうだったと思います。

その後、中国人歌手「那英(ナーイン)」が「Girl」をカバーしてくれ、中国で大ヒット。
ずいぶん気持ちが救われたよ。

そんな裏話を抱えた「Girl」


優しく壊れた「Girl」でした。

ASKA(2025/8/3 18:25)

コメント
  • umeko

    なかなかやっぱり、会社が大きくなったり、間に入る人が多くなると、MVといえど、難しいんですね💦
    当時のお話し聞けて嬉しいです。
    Girl大好きな曲です。
    今回は夏をイメージさせる曲が多いと思いましたが、Girlは季節を問わないと思います。恋のつらい季節はその人によって、違うから。

  • ShanaFly

    「Girl」のMVの話。
    かなり深くまで書かれてますね。
    今、「Girl」のMVを作ったらどうなるのか、別バージョンを観てみたくなります。

    「Girl」と言ったら、私はやっぱりギターの古川さん。
    私が初めて行ったライブは、ASKAさんの「Kicks」ツアー。
    1998年?でしたっけ?
    あのときは、私、かなり壊れました。(笑)
    やさしく壊れてません。(笑)
    初めて見るASKAさん。
    「ASKAー!!!!」
    と、壊れまくっていた「Girl」でした。
    (≧∀≦)

  • mayumi☆k

    ☺️💕
     
    読み終えた今の私

  • かしわざーき

    ASKAさん、お疲れさまです😊

    「CMを意識して連ねたフレーズ」
    さすがだなぁと😌
    決められた秒数の中に残すインパクトってすごいですよね😉

  • よったん♪

    ASKAさん♪

    『あの娘のハレルヤ』じゃなく、『あの娘にハレルヤ』じゃないですか?
    いや、てかお伺いなどたたずとも、『あの娘にハレルヤ』です!!!

  • シソッパ

    いやはや「Girl」の制作秘話に、色々な感情が入り乱れながら世に放たれたのですね。😧
    「Girl」ってスパニッシュ系な楽曲ですよね。
    「フラメンコ」の様な。
    そんでもってガットギターの魅力も仰ってましたよね。
    確か「Kicks Tour」でお披露目されましたよね。
    「No Way」「Tattoo」「共謀者」「花は咲いたか」「Kicks Street」「NEVER END」「Girl」etc...
    1998年のツアーでした。
    私、当時は高校生で全寮制の高校に入ってたので、中々ライブには行けなかった。しかし宮城公演、場所はグランディ21(宮城県総合体育館)。交通の弁が悪過ぎる場所〜。😅
    何とかチケットを手にして観に行った記憶があります。😅
    あ〜、懐かしい。

  • あすちゃも

    優しく壊れたGirl…🥹
    そんなことがあったんですね😮
    今改めてMV見てみたけど、そんな無理矢理感は感じられませんでした☺️
    (相変わらずかっこいいです!!

    大人じゃなくていいは、ずっとアルバムに入ってなかったから、カセットテープにダビングしたものを繰り返し聴いてました✨
    今でも聴くと、どこか胸がキュッとします😄

  • 宮古島

    『虹の花』
    宮古島のfellows
    少しの時間と大きな旅と in MIYAKOJIMA

    このフレーズが忘れられない旅でした。7月7日の夜中に天の川🌌の下で夜空を見上げ
    3枚撮影していただきました。私達が最後の撮影なので
    スマホ📱で撮り方。波🌊の心地よい音でした。
    最終日にゲームしてたら窓越しにスコールが
    凄くタイミング良く
    バーベキュー🍖
    バイキング料理
    また是非行けなかった方の為に開催されてください。
    バスの中ASKAさんのご挨拶と虹の花
    そしてお歌も聞けました。幸せな時間を盛りだくさんありがとうございました。
    尚9月の感謝祭の東京2回行ける事になりました。選曲は決まりましたか?
    何着ていこうかな❣️

  • ☆えこ

    大人じゃなくていい。。は私もサブスクで解禁されてからリピートして聴いてます!こんなふうにもめちゃくちゃ聴いてます!もうそろそろ、虹の花や未来の人よもサブスクで追加されるのを心待ちにしていますが、どうでしょうか??

  • ShanaFly

    「大人じゃなくていい」は、xでこうポストしてました。
    コピペ


    この曲の歌詞って、ASKAさんの正直な心が描かれているのかなーと思いながら聴いてる。

    「今日の君 綺麗だよ
    幸せなら聞きたくない
    僕にとって 君にとって
    幸せはあの日の恋」

    ASKAさんは、こんなふうに思われていたのかなーと、想像しながら聴いてます。